なのに、
  

それなのにだ。


神様は、私にだけ、いつも意地悪だった。


ぐうぅぅぅ~


私のお腹は、激しい音を鳴らした。
その音ときたら、かなりの音量。

まっすぐ向いて半ば俯いていたが、隣のイケメンくんの肩がビクッとなったのがわかった。

更に間が悪いことに電車は駅についていた為、走行音でお腹の音はかき消されることもない状況だった。

おそらく隣のイケメンくんどころか私の周りにいた人には、私のお腹の音が届いてしまっているだろう。


やばっ、はずい!

周りの人の視線を感じる。

私は巻いていたマフラーに熱くなった顔を埋めた。


だが、神様は無情にも更に私を追い込んできたのだ。