私と元が降りる駅になり、
「....じゃあ、お先に失礼します」
と言って軽く頭を下げてドアに向かった。

「二人とも気をつけてね」
ひかる先輩が笑顔で言うと、元が酔っぱらいみたいに赤い顔して
「ありがとう、高橋さんも気をつけて」と言った。

「明日美ちゃん、またね」
遼也先輩が手を振ってくれた。

めちゃくちゃ嬉しくて泣ける。

自分が元くらいに赤い顔をしていないことを祈りながら私は電車を降りた。


ホームに降りると、元は出口へ向かわずに電車に向いて地蔵みたいに立ったまま動かない。

「行かないの?」

「見送ってから行く」
どうやら、元は先輩たちが乗った電車を見送りたいようだ。