「はい。本当は寂しかったです。どうして、いなくなったんですか?」
「気持ちの整理。1人で色々と考えたくて家を出た。でもさ、いざ会社で色々と考えたけど、整理が出来なかった。会長に呼び出された後に1人でカフェを五軒ほど回って…考えて、気付いたらここに辿り着いた。時間をみたらもうこんな時間で…帰らないととは思ったけど…なんか、家だと上手く話せそうにないから呼んだんだ」
「そう、ですか…」
「うん。だけど、華子の顔を見たら…気持ちの整理とかする意味なかったかもって思った」
手を私に向かって伸ばす。同じように手を伸ばせば、指を絡めて握られた。
暖かい温度を感じると同時に鼓動がはやくなる。
「華子が好きだよ」
「え…?」
思いもしない突然の告白。そんな事を言われると思っていなかった為、すぐに返答が出来ない。
「えっと…」
「華子は俺のことどう思ってるの?思えば、俺は好きって言ったけど、華子から返事はもらってない」
「そ、そうですか?えっと、それは…その…好きです。好きになりました」
同じ時間を過ごして、凛太朗さんの色々な面を見た。優しい王子様なところは勿論、意地悪な所とか傲慢なところとか。
どんな時でも、私を助けてくれた事とか。こんな結婚でも大切にしてくれる所。気付けば、惹かれていた。


