「はぁっ…気持ち悪い」

「まだここに居ます?」

「いや、もう大丈夫。でも、下は向けないから着替えるの手伝ってくれない?」

脱衣場のドアを開け、引き出しから部屋着を取り出せば、そんな事を唐突に言い出す。

「え…ええっ!?それは…え、えっと」

「いやいや、冗談だよ」

ワイシャツのボタンを外し脱ぎ捨てると逞しい身体が目の前に飛び込んで来た。恥ずかしくて背を向け、リビングにいます。と、言い残して脱衣所を後にした。


それから着替えて来た凛太朗さんは、もう一度私にお礼を言ってから寝室に入っていく。その背中を見送ってから私も寝室に向かう。

ベッドに入り目を閉じると、何回か凛太朗さんが起きて来たのが分かった。

心配で声を掛けたかったもの、あまり気を使い過ぎると楽では無いと考えて我慢し、長い夜を過ごした。