Yuto side
俺は、そっと扉を開ける。
すると、少し離れたとこで、声を抑えきれずに泣く、真美の姿があった。

「初めて見た。」

あいつは、ほんとに泣かないヤツで、中学生の頃から一緒に居るけど、目に涙を浮かべたのすら、見たことは無かった。
1回、彼女に聞いたことがある。



「真美って、泣かないの?」


彼女は、こう言った。



「俺、泣きたいと思うこと無いから笑
それに、嫌いなんだよ、泣くの。」


あれは、嘘だったんだ。
ほんとはずっと苦しくて、独りで泣いた時もたくさんあった。
でも、真美のことだから、周りに弱いところを見せられなかったんだろう。


なんで、気づけなかったんだ...。




→NEXT。