…総長?
総長ってそれは…、
「う…、」
思い出そうとすると襲ってきた頭痛。
頭がぎゅっとなって前が見えなくなる。
「桃さん!」
ああ、また私が春翔にこんな顔をさせる。
ゆっくり呼吸をすると、だんだん治ってきた頭痛。
私、どうなっちゃったの?
おかしくなった?
これからずっと、こんななの?
「大丈夫ですか?」
「うん…、ごめん。」
「すいません。俺がこんな話したから。」
「違うよ。ごめんね…、私が寝てる間もたくさん迷惑かけたよね。」
「全然ですよ。」
また辛そうに無理矢理笑顔を作る春翔。
春翔を見ていると、このあいだの芽衣を思い出した。
芽衣、元気かな…。
ガラガラ
そして、またゆっくりと開けられた扉。
そこに立っている人を見ると、それは目を腫らしたおばあちゃんだった。

