え……?


なに言ってるの?


申し訳なさそうに聞いてくる桃を見ると、冗談ではないことがわかる。




「えぇ…?桃、何言ってんの?」




少し笑いながらも大きな不安を抱いて、ベットに座る桃に目線を合わせた。


…冗談だよね?




「桃、奏多だよ?」


「だから誰?私の友達?」




嘘でしょ?


本気で言ってるの?


何で?


どうして神様ってそんな意地悪するの?



目の前にいる桃がボヤけて見え始めた。


もう何度目かわからない涙がまた目に溜まる。




「芽衣、何で泣くの?」




申し訳なさそうに私を見る桃は、今にも泣きだしそう。



ううん、違う。


桃は何も悪くない。




「ううん、何にもない。先生呼んでくるから待ってて。」




震える声を抑えて、桃の手をギュッと握る。


不安そうな桃に笑いかけて、私は病室を出た。