私と奏多を呼んだのは、桃のおばあちゃんだった。
たくさん泣いたのか、目を真っ赤にしてハンカチを両手で持っている。
本当は辛いのに、私たちに笑顔を向けていた。
「桃、いつまで眠るんだろうね…。家が静かになっちゃうよ…。」
機械に囲まれて眠っている桃を見つめながら、寂しそうに言った。
「…すみませんでした。俺が…、俺がもっとしっかりしてれば…、」
桃を見つめながら涙を流すおばあちゃんに、ソファに座っていた奏多が頭を下げた。
謝る奏多の声も震えていて、誰よりも泣くのを我慢している。
「いいのよ奏多。顔上げなさい。」

