ここ、どこ…?



目を開けると周りに色はなく、全てが真っ白。


その中にポツンと取り残されたようにいる私は、ここで何をしているんだろう。




「…も、」


「え?」


「桃…。」




どこからか、懐かしく聞き覚えのある声がする。


周りは暗くて、何にも見えない。



…誰、?




「桃…、」


「誰?」




必死に探すけど、誰もいない。


何にもない。


…ここはどこ?


私、何してるの?




「桃。」


「え?」




だんだん近くなる声に、私の体は動きを止めた。




「…お母さん、」


「桃…。」


「お父さん、」




交互に聞こえる女の人と、男の人の声。


間違いない。


お父さんとお母さんの声だ。




「…お母さん、お父さん。」


「桃、大きくなったな。」




そう言われるけれど、私の目には何も映らない。


映るのは真っ白な色だけ。


白以外は何も見えない。