「じゃあね!芽衣!」


「またねっ。」




昨日行った浴衣屋さんで、綺麗に着付けをしてもらった。


それぞれ待ち合わせ場所が違う私たちは、ショッピングモールを出てすぐに別れた。



夕方の5時。


まだ日は沈んでない明るい外を、ゆっくりと歩く。



慣れない下駄を上手に歩かせる私は、奏多と待ち合わせの商店街を目指した。



迎えに来てくれるって言ってくれたけど、ちゃんと高校生らしくしてみたかった。


待ち合わせとか、歩いて行くとか、彼女が遅れて行くとか。



敵対している族を警戒して、私をひとりにしたくない奏多が今日は渋々OKしてくれた。


これも全部、芽衣と龍也、春翔のおかげ。



早く会いたいなあ。


早く浴衣見せたい。


早く奏多の浴衣も見たい。



そう思うとだんだん軽くなる足取り。



本当、すごいと思う。


彼を中心に何でもできる私が。