ガラガラっとドアを開けると集まる視線。
「せ、瀬崎ぃ?!お、お前…、受けるのか?!」
「はい先生!奏多の席はどこですか!」
「お、おお。えー…っと…、」
俺を見てこれでもかってくらい驚く先生。
そして教室は静まる男子や、コソコソ何か言う男子。
キャアキャア騒ぐ女子と、迷惑そうにする女子。
「そ、そ、そ、そこだ!」
「ありがとうございます!ほら、座って。ちゃんと頑張ってね。」
俺の席は廊下側の1番後ろ。
先生は俺を見てまだ驚きが隠せず、口が開きっぱなし。
そりゃそうだよな。
ずっと悪やってきた俺がいきなり勉強だなんて。
「じゃあね。」
「おう。」
綾瀬は俺を送ったあと、自分の教室である1組へ戻って行った。
それから俺を取り巻く環境は徐々に変わっていった。
人と戯れることが好きじゃなかった俺は、クラスのやつらと話すようになり。
取ったことのないノートをとってみたり、真面目に体育やってみたり。
「ほら!行くの!」

