「ほら!行くよ!」
「やだよ、だりぃ。」
「言っとくけど龍也は芽衣と同じクラスだからね!」
「行く。」
綾瀬が隣にいる龍也とそんな会話をしていた。
2年になって1回も出席したことのない俺らは、自分が何組かもわからない。
「奏多も行くよ!」
そう言ってまだ座っている俺の腕を引っ張る綾瀬。
授業とかクラスとかダルいけど、こいつに言われたら行く気になってしまうんだよな。
魔法つかいみたい。
「言っとくけど今日から毎日だからね!頑張ろうね!」
綾瀬は俺らの背中をグングン押して、廊下を3人で進む。
もう廊下には誰もいなくて、授業をしている先生の声だけが聞こえる。
「はい。龍也はここ!」
「俺4組だったんだ。」
「そうだよ。席は芽衣の隣。頑張ってね!」
2年の教室が並ぶ2階は、4組が1番手前。
つまり、龍也は先に教室へ入って行った。
「奏多は2組ね。私1組だから。」

