人への頼り方を知らなくて、声を殺していつも1人で泣いている。
「悪ぃ、遅くなった。」
「おせーよ!電話にもでねーし、何してた…って、は?!綾瀬?!」
「こ、こんにちはっ!」
そしてついた屋上。
先にいた龍也は、振り向くなり俺の隣にいる綾瀬に目を見開く。
初っ端から怒っている龍也を見て、固まる綾瀬。
「な、な、な、な、な、なんで?!」
「俺が連れてきた。」
「んなのわかってるよ!」
「笑わしてやって。」
「は?!」
いつもの定位置に座り、ポケットからタバコを取り出す。
手慣れたように火をつけて、フーッと煙を吐いた。
今日はなんだか疲れたな。
ま、たまにはこんな日もありか。
「俺のこと知ってる?」
「柴田くんだよね?」
「知ってんだ?よかった。」
「女子の間では人気者だよ。」

