「俺じゃねーよ。」
こんなヘタレ、俺に立ち向かってくる勇気も根性もねーだろ。
「綾瀬、」
証拠ならこいつが持ってるよ。
こいつはこんなもの持ちたくもないのに、お前らが押し付けたんだろ?
「綾瀬!お前まで授業サボってるのか!」
綾瀬が教室に入ってくるなり、怒鳴り散らすセンコー。
そもそも責める相手を間違ってる。
「…俺は知らない!」
「竹田もこう言ってるんだ。もういいだろ瀬崎。綾瀬も、こんなやつに混ざるな。」
話を聞かない教師に、イライラしてきた俺は近くにあった机を蹴り飛ばした。
それによって、気は十分に集まる。
「ふざけんな。こいつがどんな思いでここに来たと思ってんだよ。」
シンと静まり返る教室には、俺の声だけが響く。

