それから綾瀬は、また口を開き始めた。
写真を回さない代わりに、今日の放課後、体育倉庫に呼ばれているらしい。
そして来なかったら、立花に手を出すと。
正義感の強いあいつは、立花を頼ることもできず、あいつを犠牲にすることも出来なかっま。
「芽衣は傷つけたくないの…、私の1番だから…。守りたいのっ…、」
こいつは、そう言うやつなんだ。
友達を守るなら自分を傷つけることの出来る、優しいやつなんだ。
「もう…、どうしたらいいのかわからなくて…、「助けてやる。」
「え…?」
「俺が助けてやる。」
全ての話を聞いた俺は、居ても立っても居られなくなった。
多分、相手が綾瀬だからとかではない。
弱いものいじめをするやつが、世界で一番嫌いだからだ。
「そいつ、何組?名前は?」
「3組…、竹田…。」
「行くぞ。」
「…え?」
驚いた表情をした綾瀬の手を握り、立ち上がって校舎へ進んだ。

