男子の間で回っている写真。
それは、体育の更衣中に撮られたもの。
綾瀬はセーラー服のポケットからグシャグシャにされたそれを俺に渡した。
「見ていい?」
「ん…。」
俺はグシャグシャになった写真をゆっくりと開き、その中身を見た。
それは上の下着がハッキリ写っているもので、顔が綾瀬だということもわかる。
「ごめんね…、聞いてくれてありがとう。」
「は?」
「…もう私に関わらないで。瀬崎くんまで嫌われる。」
綾瀬は、俺が手に握っていた写真を取り返して苦しそうに笑う。
「そうやって笑って誤魔化すなよ。」
苦しそうな笑顔は消え、あいつは下を向く。
写真を持ったままの手で、悔しそうにスカートをクシャッと握っていた。

