「俺は嘘つかねーよ。」
泣きだすこいつに何かしてあげたくて、支えになりたくて、ここまで追いかけて来た。
「はいそうですか」で帰れるかよ。
「嘘はつかない。約束する。」
「うぅ…、」
綾瀬は俺の目を真っ直ぐに見て、溜めていた涙を次々に放り出した。
それと同時に、背中に回された細い腕。
後ろにはギュッと回された手と、前には俺の胸で泣く小さな彼女。
「今だけだからな。」
俺はゆっくりと手を回して、テンポよくあいつの背中を優しく叩いた。
それから、あいつは思っていたことを次々に話しだした。
家のことや、友達のこと。
男子の間で変な写真が回っていることも。
「私そんなの知らなくて…、芽衣が教えてくれて…、」
「うん。」
「男子が拡散して…、それを脅しにこの前…っ…、」
「この前、なに?」

