あいつ、いじめられたりしてねーかな。
あんな性格だし、大丈夫か。
「俺にも紹介しろ!」
「自分で行けよ。」
隣でよく喋る龍也と学校について、教室には行かずそのまま屋上へ向かう。
「便所いってくるわ。」
「先行っとくぞ。」
途中から龍也と別れて、屋上へ向かった。
今は休み時間で、廊下にはたくさんの生徒が出ている。
そんな中、俺がたまたま見つけたのは、綾瀬がどこかへ走って行く姿だった。
…あいつ、また1人で泣いてんのか。
「…ったく、」
気づけば俺は、あいつの背中を追いかけていた。
そして、しばらく走ってついた体育館裏。
ブロックの上に座って、顔を伏せているやつが1人。

