「お待たせー。」
「おう。」
「お?なんか機嫌よくね?」
「よくねーよ。」
なんて言いながらも俺の中から、綾瀬の笑顔が消えなかった。
それからと言うもの、次の日。
また屋上でサボっていた。
呑気にタバコを吸っていると、隣にいる龍也がまた綾瀬や立花の話をしだした。
「お、噂をすれば、」
そう言って、グラウンドを見る龍也。
お前は毎日楽しそうでいいな。
「おい奏多、1回でいいから見てみろって。」
そう龍也に引っ張られて見えたグラウンド。
グラウンドにいる人数は30人ちょっと。
そんな中、俺は一目であいつを見つけることができた。
無邪気に走り回るあいつは、まさに自由そのもの。
笑う顔や、抜群な運動神経に休憩中の男子が釘付け。
立花もすぐに見つけたが、あいつは綾瀬とは違う雰囲気だった。

