奏多はそう言うこともちゃんと考えている。


そんなところも大好きだ。




「あ、桃、」


「ん?」


「指輪、見せて。」


「え?あ、うん。」




私は左の小指にはめてあるピンキーリングを、奏多に渡した。


これは、奏多にもらったもの。


ネックレスと同じメーカーのもので、去年のクリスマスにもらった。




「さんきゅ。」


「うん。」


「つけてあげる。」




そう言った奏多は、私の指に冷んやりとした指輪を通した。


つけてもらった時には無かった違和感に、つけた後に気づく。




「え…?」




指を見てみると、小指につけるはずの指輪は薬指にはまってあった。


指輪のメーカーも変わっていて、可愛らしいデザインのもの。




「クリスマスプレゼント。」




私を見て笑った奏多に、私も笑い返して思いっきり抱きついた。




「好き!大好き!」


「俺も。」




奏多に回した手を改めて見る。