「そう言えば、桃さんと奏多さんってどうやって知り合ったんすか?」
「同じ中学だったの。」
「へえ、中学ん時から付き合ってるんすよね?」
ダラダラと手を動かしていると、下っ端のリョウがそんなことを言ってきた。
「そうだよ。もう、付き合って3年くらいかなあ。」
「すげえ…、」
話し込むうちにお互いの手が止まり、口だけが動く。
「奏多さんのことで辛い経験はなかったんすか?」
「あったあった。たくさんあったよ。」
「やっぱ、そうっすよね…、」
「でもさ、その度に助けてくれんの。」
あの時の私からは、想像できない。
まさか、今こんな風に奏多と付き合っているなんて思わなかった。
「もちろん、告白は奏多さんからっすよね?」
「そうだよ。気づいたらもう3年も一緒にいる。」
そう、気づいたら。
気づいたら今に至る。

