一言。


そう一言だけ。


私は奏多に伝えた。




「桃、」


「ん…?」


「全部終わったら聞いてほしいって言ったの、覚えてる?」




そう言えばそんなこと言ってたな。


もう頭がゴチャゴチャすぎて忘れていた。




「また、俺の彼女になって。」




私の目を見て笑った奏多。




「好きだ。」




彼は、そう言って優しくキスをした。


今は、恋人として。