「全部っ…、全部思い出したよ…。」
「え?」
「ごめん。たくさん傷つけて…、ごめんね…。」
ギュッと抱きつく私の背中に、奏多も手を回した。
「そっか。」
私の肩に顔を埋めて、小さく放った言葉。
どれだけ傷つけたかわからない。
どれだけ待たせたかもわからない。
どれだけ、謝ればいいのかもわからない。
「奏多…。」
「ん?」
「大好き。思い出せなかった時もずっと…、ずっとずっと好きだった。」
また溢れてくる涙を無視して、私は言葉を続ける。
「今も、大好き…!」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…