「全部っ…、全部思い出したよ…。」


「え?」


「ごめん。たくさん傷つけて…、ごめんね…。」




ギュッと抱きつく私の背中に、奏多も手を回した。




「そっか。」




私の肩に顔を埋めて、小さく放った言葉。



どれだけ傷つけたかわからない。


どれだけ待たせたかもわからない。


どれだけ、謝ればいいのかもわからない。




「奏多…。」


「ん?」


「大好き。思い出せなかった時もずっと…、ずっとずっと好きだった。」




また溢れてくる涙を無視して、私は言葉を続ける。




「今も、大好き…!」