遅刻や欠席を減らすように、毎日送ってくれた学校。


奏多にギュッと掴まって走るバイクに、ずっと乗っていたいと思った。



一緒に行った海。


中学の時、ピアスをプレゼントした。


失くした時用にと言って、両耳用でプレゼントしたつもりが、それは片耳用で。


買い直すと泣きべそをかいていると、奏多はもう1つホールを開けてくれた。


左耳には開いていない穴が、右には2つも開いている。


彼のバランスの悪いピアスの穴は、私のせい。



その時に聞いて落ち込んだ奏多の言葉。


「多分、一生好き」。


忘れられなかったあの横顔。


愛おしそうに、誰かの話をしていた。


それは私のことだった。


今思うと、嬉しくて舞い上がる。


そして、たまたま見てしまったカフェでのキス。


あれは、許さないよ?


なんて。


きっと理由があるから、また詳しく話してもらおうかな。