今思えば、少し不思議に思っていたことも、時々頭に刺さることを言われたのも。


全部、辻褄が合う。


…私は、奏多の彼女だ。



記憶を無くしてから初めて会った日、奏多は私を見て辛そうに笑った。


ナンパから助けてくれた時も「俺の女に触るな」、そう言っていた。


一緒に帰った時に感じた、隣を歩くだけの安心感と心地良さ。


離れたくない、この時間が続けばいいのにって、何度も思った。


私はずっと、奏多が大好きだったんだ。



連絡先を交換した時は、私の携帯を器用に動かしていた。


当たり前のように入っていた連絡先。


奏多くんと呼ぶ私のために、登録名を変えてくれていた。