「よかったです。ずっとこの日を待ってましたから。」


「春翔…、」




ニコッと可愛らしく笑う春翔は、私の頭にポンと手を置いた。


私を好きだと言ってくれた春翔。


きっとこの頭に置かれる手は、今日で最後。


優しい彼のことも、たくさん傷つけてしまった。



それから、春翔は喜連の倉庫に向かうと薄暗くなった外をまたバイクで走っていった。


その背中を見えなくなるまで見送る。


見送った後、家の中に入ろうときた時フワッと私の制服についた白に目がいく。




「雪だ…。」




シンシンと空中を舞う雪。


…ホワイトクリスマス。


それを見上げながら私は心の中で誓った。



明日、奏多に会いに行こう。



思い出したのは、冬休み直前の12月24日。


今年のクリスマスプレゼントは、人生で1番のモノだった。