外を見ると、日も暮れてきてきた。


同じクラスに同じ方向の子はいないし、出来れば私も早く帰りたい。


かと言ってみんな居残っているのに私だけ帰ることも出来ない。




「今日はここまでにしよっか。」


「そうだね。」




そして結局、最後まで残った私。


すっかり日は暮れていて、時計を見るともう7時を過ぎていた。




《校内に残っている生徒は、速やかに下校して下さい。》




何度目かわからないアナウンスに、クラスのみんなは愚痴を吐きながら片付けと帰る準備に取り掛かった。




「じゃあね。」


「またねー。」




自転車の子や駅へ向かう子など、通学手段がバラバラな私たち。


そんな中、私の家の方向は見事に私ひとりだけだった。



こんな時間に帰るなんて、なんだか懐かしいな。


よくアイス食べながら帰ったっけ。




「って、誰とのこと思い出してるんだろ…。」




歩きながら蘇る記憶を、無理には思い出さず浅く考える。