「あ、えっと…、チョコケーキにしようかな。」


「チョコ好きだもんな。」


「うん!大好き。」




そう返事をした私は、持っていたメニューを奏多くんに渡した。


受け取ったメニューを見る奏多くんをじっと見つめる。


何にするか決めている最中の彼は、私の目線に気づいて顔を上げた。




「ん?」


「ん?」


「どうかした?」


「いや、かっこいいなあって思って…、」




って、何言ってんの私…!


…無意識すぎる。




「あ、いや、ち…、違うくて、その…、」


「ははっ、ありがとう。」




奏多くんは一瞬びっくりしたような顔をしたけど、軽く笑ってメニューを閉じた。