「もーもー!」




朝からおばあちゃんの大きな声が耳に入る。


頭まで被っていた布団を取られて、目が覚めた。




「夏休みだからってグウタラしない。」


「夏休みだからいいんじゃん!」




今は学生なら誰もが大好きな夏休み。


なのに、おばあちゃんはこうして私を起こしに来る。




「あんた奏多とお祭り行くんでないの?」


「それ明日ー。」


「芽衣ちゃんと買い物は?」




…芽衣?


買い物…?




「あ!」




そうだ。

そうだった。


今日は芽衣と浴衣を買いに行く約束だ。




「何時!今何時?!」




ベットから飛び起きて時計を見ると、短針は9を指していた。




「はあー…助かったあ…、」


「助かったじゃないよ。さっさと起きて片付けなさい。」


「はあーい。」




芽衣との待ち合わせは12時。


まだ時間には余裕があった。