「小さいお母さんだこと。」
「よく頑張ってるわね。」
この言葉で何回おばさんたちに、
頭をなでられただろう。
嬉しくなんてなかった。

名前も、羽澄(はずみ)と暮羽(くれは)。
まるで双子。
なんでも姉だから、遊びにも行けない。
私には 羽 なんてものついてなかった。

ただ、ずっと思っていた…
いや気になっていたこと。
弟は、無口だ。
誰に似たのか分からないが、何があったって、うんともすんとも言わなかった。