私の弟はとてつもなくど阿呆だ。
姉である私が言うのだから間違いない。
いきなりこんな話をするのは、
私がシングルマザーになったからだ。
つい先週、夫である涼一は汗だくだくで、
「すまないが、一人にしてほしい。」
と訳が分からない事を吐き捨て、
荷物を両手いっぱいに持ち、逃げやがった。
今も思い出すだけで、
腸(はらわた)が煮えくり返る。
でも思えば、
本当に意味が分からない離婚だったな。
そもそも、離婚 なのだろうか?
いやいや、考えるのはよそう。
でも、1番に夫を許せないのは、
私たちの子供、
涼太のことを全く考えていなかったことだろう。