「す、すごい」
車を走らせて2時間。
着いたのは、まるでトトロが出てきそうな程、自然豊かな場所。
辺り一面緑に囲まれていて、家がポツリポツリと間隔を広く開けて点在している。
「以前、仕事で一回だけ来た事のある場所なんだ」
「都心から二時間で、こんな場所に来れるんだね」
お決まりの様に大きく息を吸い込んで空を見上げる。
見上げた先には、ビルの隙間から見上げる様な小さな青空ではなく、どこまでも広がる青い青い空が広がっていた。
「ここだと、空も違って見えるだろ」
「うん! なんだか青く見えない?」
「あ~確かに、言われてみれば」
2人並んで空を見上げる。
その時、ふと互いの手が触れ合って、そのまま自然と手を繋いだ。



