「もう一回言って!」


まるで子供の様に今にも飛び跳ねたい気持ちを押さえて、そう言う。

一瞬驚いた様に目をパチクリさせた彼だったけど、ふっと息の下で笑って言葉を紡いだ。


「再来週、出掛けよう。2人っきりで」


その言葉に、一気に胸が高鳴る。

両頬が無意識に上がって、何故か目頭が熱くなった。


「ほ、本当に!?」

「あぁ」

「いいの!? 一日!?」

「あぁ」

「う、嘘じゃない!?」

「どんだけ疑ってんの」


詰め寄る私を見て笑いながら、クシャッと私の髪を撫でた彼。

そして、テンションが可笑しくなった私を見て、どこか眩しそうに目を細めた。


「一緒に行きたい場所があるんだ」

「行きたい場所?」

「たぶん、柚葉はどこでも喜びそうだけど」

「う、うん」

「喜んでくれると嬉しい」


そう言って、彼は優しく私を抱きしめた。