「サバサバしてるよな~」

「ふふっ、よく言われる」

「でも女の子を作ってる子より全然良いよ。というか、男っぽい方が可愛いと思う」

「え、じゃぁ、もっと男らしく生きようかな」

「限度ってもんがあるだろ」

「え~」


地面に伸びる2つの影が揺れている。

彼の言葉一つに、一喜一憂している自分がいる。


「望月は、そのままでいろよ」


ポンっと頭の上に大きな手が乗る。

なんだか嬉しくて、満面の笑みを作りながら大きく頷いた。


「へへっ」


お酒の力もあってか、嬉しさ極まってか、思わず隣の彼に抱き着いた。

らしくない私の態度に少しだけ驚いた彼だったけど、いつもの様に私の髪を撫でた。


2つの影が一つに重なる。


だけど、ふと視線を横にずらすと、先程まで見えなかった影が一つ浮かんでいた。