ーもう終わりにしよう
土日しか会えない大学生の彼
たまにしか会えなくても大好きだった。
そんな彼のためにスーパーに寄って
重い荷物を持って歩いた坂道。
今日はいつもより軽くて自然と早足になる。
それが少し悲しかった。
いつからだろう、彼を疑い出したのは。
彼の部屋に知らない女物の服があったり
週末会えなくても欠かしたことがない電話が
パタリとなくなったり。
ーでも、決定的だったのは一週間前の出来事
久しぶりに彼の家に泊まりに行けて
あの日は嬉しかったなあ。
あの電話がなるまでは・・・
彼がお風呂に入ってからしばらくして
彼の電話がなった。
電話を持って彼に知らせようと
お風呂場に行く途中
慌てて落としてしまった。
そのときたまたま通話ボタンを
押してしまったんだ。
「ねぇ、まだあの子と付き合ってるの?
すぐ別れるっていってたじゃない。
あ、それと先週うちに来た時
歯ブラシ忘れてったでしょう?
ねぇ、ちゃんと聞いてるの?」
電話から聞こえてきたのは、
ー私の姉の声だった