「なんでって言われても!」
島田さんはその巨体に似つかわしくない俊敏な動きでゴキブリを踏み潰す。
「これでいいのか?」
「……取り乱してすいませんでした」
「嫌いってこんなもん、ただの虫けらだがの」
「虫けらが苦手なんです」
「苦手って、虫けらはただの虫けらだがの」
苦手なものの何が苦手かを苦手じゃない人に伝えるのは難しい。
特にゴリラみたいな大男を相手に虫が苦手な人の気持ちを伝えることなど不可能だ。
私が困っていると、数人の隊士達が集まって来た。
「いったい何の騒ぎですか?」
「ああ、騒がせてすまんな、たいしたことじゃないんだ」
島田さんがその場を取り繕おうとしていると、
そこに副長の土方さんがやって来る。
「なんか女の叫び声が聞こえたようだが」
土方さんが不思議そうな顔で言うと周囲の隊士達も、
確かに女みたいな声が聞こえましたねと口々に言い始める。
「いや、叫んだのは女じゃなくてこいつだ」
島田さんが私を指さす。
島田さんはその巨体に似つかわしくない俊敏な動きでゴキブリを踏み潰す。
「これでいいのか?」
「……取り乱してすいませんでした」
「嫌いってこんなもん、ただの虫けらだがの」
「虫けらが苦手なんです」
「苦手って、虫けらはただの虫けらだがの」
苦手なものの何が苦手かを苦手じゃない人に伝えるのは難しい。
特にゴリラみたいな大男を相手に虫が苦手な人の気持ちを伝えることなど不可能だ。
私が困っていると、数人の隊士達が集まって来た。
「いったい何の騒ぎですか?」
「ああ、騒がせてすまんな、たいしたことじゃないんだ」
島田さんがその場を取り繕おうとしていると、
そこに副長の土方さんがやって来る。
「なんか女の叫び声が聞こえたようだが」
土方さんが不思議そうな顔で言うと周囲の隊士達も、
確かに女みたいな声が聞こえましたねと口々に言い始める。
「いや、叫んだのは女じゃなくてこいつだ」
島田さんが私を指さす。
