「君は、何者なんだ」

「俺はただの酔っ払いだ。さっきも言ったようにな」


男は、即答した。
そして尋ねた。君こそ何者だ、と。


「僕は、ただの掃除屋だよ。汚れたものを、消すのが仕事」


男はほう、と呟くと、面白いものを見つけたというように目を細めた。


「掃除屋、ねえ」


少年は振り向くと、小さく微笑んだ。


「さよなら、酔っ払いさん」


そして男に背を向ける。


「君とはまた、会いたいな……」