気づいていた時には、俺の手は鳴海の左手を叩いていた。 「え?」 最初に声を出したのは幼馴染。 ...俺、何やってんだ!? 「...痛いんだけど」 怪訝そうな顔で俺を見つめる鳴海。 「〜〜ッ! なんでもねぇよっ!」 バッと踵を返した。 退院してから、初めて でっかい声を出したと思う。 ドタドタと教室を出て、昇降口に座り込む。 ...俺、なにしてんだよ...。 ...もう帰ろう。