「透和~?...起きて!」



「わーったよ...!」


耳元で叫ぶ芽夢を ひょいと持ち上げ、ベットから降ろす透和。



「...ドアを勢いよく開けて男の部屋に入ってくんじゃねーよ...」


目を擦りながら芽夢に言う透和。


基本的に黒髪だけど、少し茶色のかかった髪をかきあげる。


「...だって...。透和、ベランダの鍵開けてないじゃん」


...そーゆー事じゃねぇんだよ...。
と、芽夢に呆れる透和。



「あと、夏だからってTシャツ短パンは寒いよっ」



「分かったって。ほら、制服着るから出てけ...」


言い終わる間もなく、芽夢は透和の宿題を机で移し始めた。


...何事にも一直線な芽夢。
勉強にも運動にも、こうなると周りの声は聞こえない。


...宿題を移すのは 曲がっているところだが...。


制服...

まぁ...机に向いてるし、いいか。


芽夢を気にしながら制服に着替えるけれど、すぐに 移し終わった芽夢が透和を振り返る。


「透和!ありがと...って!着替えるなら言ってよ~」


も~っ!と言いながら透和の部屋を出ていく芽夢。