「悪かったって思ってる。けど…お前の隣にいるあいつより、俺の方が咲桜のこと、幸せにできる」

その瞬間、後ろから静かに歩いてきた玲斗が、凌の肩をガシッと掴んだ。

「お前さ。咲桜にまた泣かせるつもりか?」

その声は冷たくて、低くて、今までの玲斗とは違ってた。

「お、おい氷室…!別にお前に関係ないだろ?」

「あるよ。――俺、もう我慢するのやめるわ」

玲斗の声が、真っ直ぐ私の胸に刺さる。

「今まで“幼馴染”だからって引いてたけど。
 …俺だって、お前の隣、譲る気ないから」