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ドアを開けた瞬間、ふたりの視線が私に向いた。

「咲桜――!」

玲斗が立ち上がったその時、瑠奈がすかさず口を開いた。

「咲桜ちゃん、聞いて。玲斗くん、私のこと――
 “もう一度やり直してもいいかも”って言ったの」

「……!」

頭が真っ白になる。

「ねぇ玲斗、本当のこと、言って」

瑠奈が勝ち誇ったように笑った。

玲斗は、少しの沈黙のあと、私をまっすぐ見て、はっきりと言った。

「言ってねぇよ。……それ、全部“嘘”だ」