――ずるい。
そんなの、ずるいよ玲斗。

好きって、何度聞いても、信じたくなる。

気づけば、涙がぽろぽろとこぼれていた。

「咲桜、泣くなよ…」

玲斗が拭おうとした涙を、私は自分の手で拭った。

「……信じたいよ。玲斗のこと、本当に。
　でも、不安になるの。私なんかでいいのかなって」

「……“私なんか”って言うな」

玲斗が、私の両肩を掴んだ。

「お前だからいいんだよ。俺が欲しいのは、“咲桜”だけだから」

真っ直ぐに見つめられて、心臓が爆発しそうだった。

そのまま、玲斗がゆっくりと顔を近づけてきて――

（え、これって……キ、キス――!?）

と、次の瞬間！