「あいつ、どうしたんだ?」



「わかりません…。」




しばらくすると平助が帰ってきた。




「平助、どうだった?」




「ダメだった。怪しいやつどころか人すら歩いてなかった。」




なんの手がかりも無かったことにがっかりしていると襖が開いて山崎くんが入ってきた。




「終わったで。」



「どうだった!?」




僕は思わず食い気味に聞いた。



山崎くんは驚いたように目を開いたけどすぐいつも通りに戻った。



「命に関わるような傷はない。けど、全身傷とあざだらけや。裸足で走ってたんかなぁ、足もひどい。体も随分冷えてた。」




あんな薄着でいたんだもん。




「全身傷とあざだらけってどういうことだ?」



土方さんが山崎くんに聞く。




「ようわからん。けど、ひどい仕打ち受けてたんは確かや。」




僕の心はひどく傷んだ。



あの子を傷つけた奴らを許せない。




「とにかく薬塗って温めてやるしかない。後はあの子が目ぇ覚まして聞いてみん事にはなんも言えんわ。」




とりあえず今日は遅いからまた明日話し合うことになり解散した。




部屋に戻り、眠っている女の子を見つめる。



空いてる部屋が無いためとりあえず僕の部屋にということになった。



さっきよりほんの少し顔色が良くなっている。



そっと、頬に触れるとビクッと肩を揺らす




「…い、や。…やだ、こ…ないで……。」