そこには女の子が倒れていた。



冬とは思えない薄着で体は傷だらけ。



声をかけても返事がない。



「平助、近くに怪しい奴がいないか見てきて!僕はこの子を屯所に連れて行く!」




「おう!わかった!」




そう言うと平助は隊士たちを連れて走り出した。



目の前の女の子に羽織を掛け、顔にかかった長い髪をよける。




「…っ!」



思わず息を呑むほど、綺麗な顔だった。



でもその頬は青白い。




「…っ、屯所に急ぐよ!!」



その場に残っていた隊士に声をかけ女の子を抱き上げる。



……!




その軽さにまた驚いた。



力を入れたら折れてしまいそうだ。




女の子を落とさないように屯所まで急いだ。