バキッ!
大きな音を立てて襖が破られた。
私は少し空いた押入れの隙間から様子を見ていた。
『お前が野宮伊吹だな?』
男が2人、刀を持って入ってきた
『なぜ、こんなことを!』
『お前らの“力”がほしい。』
『やはりそれが目的か…』
私たちの“力”…。
それは野宮家にのみ伝わる治癒能力のこと。
それは、血が濃くなるほど強い力となる。
この野宮家では私と柊が一番強い。
しかし柊は生まれつき力が弱く体も弱かった。
私たちの治癒能力は自分や同じ野宮家の者には使えない。
『私たちと一緒に来い!』
『断る!!』
『ならばガキを渡せ』
…っ!こいつら私の力が強いことを知っているの!?
『嫌よ!!』
『あぁ?うるせえ女だなぁ。藤(ふじ)、やれ。』
藤と呼ばれた短髪の男がお母様に襲いかかる。
『蘭!!』
『おっと、お前の相手は俺だ。』
激しい乱闘が繰り広げられた
あんなに強かったお父様とお母様が押されている
助けに行きたいのに、足が震えて立ち上がれない。
ギュッと目をつぶり柊を抱きしめる
カキーンーーーー
金属のぶつかる甲高い音がして目を開ける
お父様とお母様の首に刀が突きつけられていた。
『ガキはどこだ』
『『……。』』
2人とも何も言わない
『言わぬか。ならば用はない。』
次の瞬間、部屋に花びらが舞った。
赤い、紅い花びら
お父様とお母様の中を流れていた花びら
私は柊を抱きしめその光景を見せないようにするだけで精一杯だった。
助けられなかった。
側にいたのに…!!
涙が溢れた
『藤、ガキを探…』
その時だった。
『おかあさま!!おとうさま!!』
ほんの一瞬腕の力を緩めた時、柊が部屋の中へ飛び出して行った。
大きな音を立てて襖が破られた。
私は少し空いた押入れの隙間から様子を見ていた。
『お前が野宮伊吹だな?』
男が2人、刀を持って入ってきた
『なぜ、こんなことを!』
『お前らの“力”がほしい。』
『やはりそれが目的か…』
私たちの“力”…。
それは野宮家にのみ伝わる治癒能力のこと。
それは、血が濃くなるほど強い力となる。
この野宮家では私と柊が一番強い。
しかし柊は生まれつき力が弱く体も弱かった。
私たちの治癒能力は自分や同じ野宮家の者には使えない。
『私たちと一緒に来い!』
『断る!!』
『ならばガキを渡せ』
…っ!こいつら私の力が強いことを知っているの!?
『嫌よ!!』
『あぁ?うるせえ女だなぁ。藤(ふじ)、やれ。』
藤と呼ばれた短髪の男がお母様に襲いかかる。
『蘭!!』
『おっと、お前の相手は俺だ。』
激しい乱闘が繰り広げられた
あんなに強かったお父様とお母様が押されている
助けに行きたいのに、足が震えて立ち上がれない。
ギュッと目をつぶり柊を抱きしめる
カキーンーーーー
金属のぶつかる甲高い音がして目を開ける
お父様とお母様の首に刀が突きつけられていた。
『ガキはどこだ』
『『……。』』
2人とも何も言わない
『言わぬか。ならば用はない。』
次の瞬間、部屋に花びらが舞った。
赤い、紅い花びら
お父様とお母様の中を流れていた花びら
私は柊を抱きしめその光景を見せないようにするだけで精一杯だった。
助けられなかった。
側にいたのに…!!
涙が溢れた
『藤、ガキを探…』
その時だった。
『おかあさま!!おとうさま!!』
ほんの一瞬腕の力を緩めた時、柊が部屋の中へ飛び出して行った。


