『お母様!お父様!見て!』


腕いっぱいに抱えた花を持ち走っているのは幼い頃の私


『お姉ちゃん!待ってよー』


私の後を追いかけるのは4つ年下の弟、柊(しゅう)


『まあ花乃、綺麗なお花ね』


『うん!これお母様にあげる!』


『まあ、ありがとう。』


『花乃のいちばん好きな花だよ!桜!』


『ふふ、お母様も桜がいちばん好きよ』


幸せだった。


『さあ、花乃、柊!訓練の時間だ!』


私の村は忍びの一族で野宮家は代々村を治めて来た家系だった。


訓練はとても厳しかったけれど愛しい家族と温かい村の人たちに囲まれて幸せに暮らしていた。











あの日まではーーーー