しばらくはここでうまくやっていこう。



あいつらから逃げ切る。



正体がバレないように気をつけないと…。


「今生憎空き部屋が無くてな。総司と同室でもいいかな?2人とも。」


どうやら私が3日間寝ていた部屋は沖田さんの部屋だったらしい。


「俺はいいですよー!」


「私はおいていただけるのなら…。」


「うん。では決まりだな。」


そうして自己紹介が終わるとみんな隊務に戻って行った。


「沖田さん…。私、ご迷惑じゃないですか?」


2人きりになって思っていたことを聞いてみた。

急に知らない女が部屋に来て迷惑なんじゃないだろうか。


「全然!話し相手ができてうれしいよ!」


笑顔で言う沖田さんに少しだけ安心した。


「よろしくお願いします。」


「こちらこそ!さっそくなんだけど、今から稽古なんだ。ここで待っててくれるかな?」


「はい。わかりました。」


「誰かしら来るだろうから、困ったことがあったらなんでも言ってね。」


そういうと沖田さんは部屋を出て行った。



部屋に1人になりホッと息をついた。



人に関わるのは苦手。


でも、ここにいるしかない。うまくやらなきゃ…。


そっと左腕の裾をまくる。


あいつらの仲間の印だった桜の刺青が入っていたところには真っ白な包帯が巻かれている。


誰が手当てしてくれたんだろう…。


気づかれていないかな



じっと腕を見つめていると襖の外から声がした。



「はいってもええか?」