俺は 3度目の寝言?を聞いた後 布団に入り眠りについたんだ。

多分 美優は少しづつだが 思い出してるみたいだ。

そして 眠りについたんだが 俺はある夢を見た。

その夢は ある部屋で ベッドがあり 酸素の機械や心電図があった。

ベットの横には 初老の女性が椅子に座ってベットを見てるんだ。

物凄くリアルな夢で 俺は空中からその光景を見てる。

幸輔「なんだ?ここは 病室か?」

そのベットの上の方を見ると女性が居たんだ 見覚えのある顔で 頭に包帯が巻かれて 酸素マスクを付けられてるけど 俺は誰なのかハッキリ分かったんだ。

その女性は紛れもなく美優だった・・・ベット上部の壁には ネームプレートがあり 美優って名前が書かれてたんだ。


幸輔「美優・・・」

俺は その美優の母親らしき初老の女性の声を聞くために意識を集中したんだ。

母親「美優・・・何故貴方が事故に・・・うう・・・」

と母親は涙を流してるんだ 母親は美優とそっくりなんだ。

俺は視線を ある場所に移すと美優の居場所が分かったんだ。

〇✕総合病院と印刷された紙が テーブルに置いてあった。

幸輔「〇✕総合病院?俺のアパートの近くじゃないか」

また 母親の声に意識を集中させる。


母親「美優が好きだったあの人も 待ってるよ・・・? お母さんに言ってたじゃない? カッコイイ人が居るって」

その言葉に 美優はなんの反応もしないんだ。

母親「だから・・・早く目覚めてね?」

と母親は 美優の頬を撫でるんだ。

それを見ていたら 勝手に涙がポロポロ落ちるんだ。

その瞬間 俺の意識は渦に吸い込まれて 目の前が真っ暗になり目を覚ましたんだ。

幸輔「はぁはぁ・・・」

目を開けて ぼーっとしてると 俺の顔を美優が覗き込んでいた。

美優「どうしたんですか?幸輔さん?何か悲しい夢をみたんですか?」

美優は心配そうな表情をしてる 俺はムクっと起き上がり涙で濡れた目を拭いた。

幸輔「ちょっと 悲しい夢をみちゃったんだよ」

美優「そうですか・・・どんな夢だったんですか?」

幸輔「何となく 何となくなんだけど 美優の居場所が分かったんだ」

美優「えっ?私の居場所? 私はここに居ますよ?」

と美優は 不思議そうな表情をしてるんだ。

幸輔「違うんだよ 美優はまだ死んでは居ないんだ」

俺がそういうと 美優はビックリしたような表情をしてたんだ。

美優「どういう事ですか? 詳しく聞かせてください」

俺は 見た夢を詳しく話したんだ。

すると美優は 呆然とした表情で呟くんだ。

美優「まだ私は死んでない?生きてる? じゃあ 今の私は?」

幸輔「多分なんだけど 事故のショックで魂だけ抜けて出たんじゃないか?」

俺がそういうと 美優はハッとした表情をしたんだ。

美優「・・・・・・あっ・・・全部思い出しました・・・」

幸輔「えっ?」

美優は 自分の事を全て思い出したようだ。

美優「幸輔さん・・・私は貴方のストーカーしてました・・・」

幸輔「ええっ?ストーカー?」

俺がびっくりして そういうと美優は ごめんなさい・・・と頭を下げた。

美優「私は・・・幸輔さんの事が好きでずっと見てました・・・」

幸輔「ああ・・・なるほど だからか」

美優「?」

高校生の時 妙に見られてる感じがしてたんだけど 美優だったのかと 線と線がつながった。

幸輔「高校の時から 誰かに見られてる感じがしてたんだよ」

美優「それは 私だと思います・・・ごめんなさい」

幸輔「何故謝るの?」

美優「ストーカーなんて 変な事してたからです・・・私は幸輔さんに話しかける勇気もなく見てるだけで幸せでした・・・」

そう話しながら 美優はポロポロと涙を流すんだ 泣いてる美優を俺は抱きしめた。

抱きしめると 美優は俺の胸の中に収まって 俺の胸に顔を埋めている。

美優「ギュッてして貰えると安心します・・・」

幸輔「うん 俺は美優ちゃんにストーカーされてた事は嫌じゃないよ? 俺を好きになってくれたんだもん」

手袋を付けて ヨシヨシと頭を撫でてやると 美優はギュッとひときわ強く胸に顔を埋めた。

暫く抱きしめ 泣き止んでニコッと笑う美優の健気さにドキッと来たのが分かった。

美優「幸輔さんの胸の中にずっと居たいです・・・」

幸輔「こんな俺でも良いなら」

と言うと 美優は俺の胸に顔を埋めながら呟く。

美優「本当・・・ですか?嬉しいです・・・」

幸輔「うん・・・って 美優体が・・・」

胸の中の美優が透けてるんだ 透けて俺の体が見えるんだ。

美優「あれ・・・?本当です・・・体が透けてる」

どんどん 体が透けてもう 美優の姿が見えるか見えないかだった。

幸輔「美優!」

美優「幸輔さん!」

そう呼びあって 美優の姿は無くなったんだ。

幸輔「ああ・・・そっか 美優の心残りが無くなったから 戻れたか天国に行ったのかな・・・?」

少しその体制のまま 動けなくてボーッとしてたら 寝ていた姉が起きたんだ。

姉「なんだよ・・・ふぁぁ うるさい」

幸輔「ごめん・・・」

姉「どうした?そんなにしょげて? 美優ちゃんは?」

幸輔「消えたよ・・・多分身体に戻れたか天国に行ったかじゃないか・・・?」

そう伝えると 姉は肩を落としたんだ。

姉「そっかぁ・・・美優ちゃん 思い伝えられたんだね」

幸輔「え・・・?」

姉ちゃんは寝てた筈なのに 何故それを知ってるのか不思議だった。

姉「目の前でイチャイチャされたから そりゃ起きれないでしょーよ」

幸輔「聞いてたの?!うわ!恥ずかしい・・・」

姉「まぁ・・・美優ちゃんが幸せならいいんじゃないか?」

幸輔「そうだね・・・でも寂しいけどね」

美優が寝ていた筈の 押し入れの中には寂しさだけが残った。

姉は 寝るといい布団に潜った 俺も布団に入って天井を見てたんだ 中々寝られる訳もなくぼーっとしてると。

姉の布団の方から くすんくすんと声を殺したような泣き声が聞こえてきた。

姉も寂しいんだなと思い 俺は眠りについたんだ。

あの姉が泣くなんて思いもよらなかった。

そして それから姉の出張も終わり 俺の家から出ていった。

この物語はここから始まるんだ 前置き長いよねーたはー💧