「ふーん……。色々とご馳走さまでーす」
「っ、うるせえ!」
慌てて虚勢を張るけれど、龍御寺は物ともしない。
「じゃ、ついでにさ、教えて欲しいんだけどさ。仮にもしもだよ?もしもだけど、あの子が彼氏と別れて、鬼ちゃんにチャンスが出来たら、どうする〜?」
「は?」
やけに真剣な目で言われて、俺はぽかんとする。
「すぐ隙を突くか、今のままの関係がいいってことで全く突かないかのどっちかってことだよ〜。僕しか聞いてないんだし、教えてよ〜。誰にも言わないしさ〜」
俺は、龍御寺の言っている事を理解すると、気を紛らわすために残りの牛丼を一気に食べてお茶を飲んだ。
……全く、もうすぐ佐藤は知らぬ男と結婚するっていうのに、この男は俺に残酷な夢を見さす。
「付き合えるチャンスが目の前に転がってきたら、拾うの?それとも、拾わないの?」
俺は、何としてでも聞き出したいらしい龍御寺に降参するとしばらく逡巡した。
それから、お茶を飲むとおもむろに口を開いた。
「誰にも言うなよ?」
「もち」
「……もしチャンスが転がってたら、即拾う」
「ほう」
「そんで……、様子を見つつ、さ……相手の気持ちを尊重しつつ、気付いてもらえるまで俺の気持ちをぶつけまくる」
