本日、結婚いたしましたが、偽装です。




「ふーん。じゃあ、興味本位で茶化さなかったら、話してくれるの〜?」



「……茶化したり、あの社長に言いふらしたりしなきゃな」




俺は羞恥で隣を見れなくて、牛丼に七味を追加すると一心不乱に食べた。



「ふーん、そっか、分かった。じゃあ、脈アリ、脈ナシ?」



「……多分、脈ナシ」



「なんで?」



龍御寺の、いつもより比較的真面目な声がした。



「そもそも視界に入れたくないほど嫌われてるし、第一に俺のことを異性として見てねえから。……あとは、男いるしな」




そう。



佐藤には、付き合っている男がいる。



その事は初めの頃は知らなかったが、ふとしたことである日、ある人からそう聞いたのだ。



しかも、婚約中だという。



知った当時はショックを受けたが、でもどこかで“そうだろうな……”と思っている自分もいた。